小規模企業支援
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
1.小規模事業者支援促進法
小規模事業者支援促進法は商工会・商工会議所がその機能を活用して、小規模事業者の経営の改善発達を支援することを促進するための措置を講じることにより、小規模事業者の経営基盤の充実を図ることを目的としている。
小規模事業者支援促進法は以下の3つの事業について規定している。
@基盤施設事業:小規模事業者の事業の共同化等に寄与する施設を設置、維持運営する事業。
A連携事業:商工会等以外の者が実施する技術研修・展示会等の事業で、商工会等が実施する支援事業と連携して行う事業。
B経営改善普及事業:小規模事業者の経営の改善発達を支援する事業。
2.経営改善普及事業の概要
経営改善普及事業は、小規模企業者が抱えている経営面での問題について、商工会・商工会議所の経営指導員(経営面でのホームドクターといわれる)によるきめ細かい相談を受けることができる事業である。経営改善普及事業の種類としては、このような経営指導員による相談・指導、記帳指導の他に、「エキスパートバンク」(経営・技術強化支援事業:経営・技術に関する中小企業診断士など専門家の派遣)、「むらおこし事業」(地域特産品開発・観光開発の支援)などがある。
3.小規模事業者経営改善資金融資制度(マル経融資)
小規模事業者の経営改善等に役立てることを目的として実施されている無担保・無保証人の融資制度である。「マル経」という別称が広く浸透している。
対象は、常時使用する従業員が20人以下(商業・サービス業の場合は5人以下)の法人・個人事業主で、以下の要件をすべて満たす者。
@商工会・商工会議所の経営指導員による経営指導を原則6か月以上受けていること。
A所得税、法人税、事業税、都道府県民税などの税金を完納していること。
B原則として同一地区で1年以上事業を行っていること。
C商工業者であり、かつ、日本政策金融公庫(国民生活事業)の融資対象業種を営んでいること。
※生活衛生関係営業(飲食店、喫茶店、食肉・食鳥肉販売業、氷雪販売業、理容業、美容業、映画・演劇・演芸場、旅館業、浴場業、クリーニング業)の事業者は、運転資金のみ利用可能。
【対象資金】
設備資金、運転資金
【貸付限度額】
1000万円(550万円+別枠450万円)
4.小規模企業設備資金貸付制度
設備導入を行う小規模企業者等に対し、都道府県の中小企業支援センターから、設備購入代金の半額を無利子で融資する制度である。
【対象者】
@従業員20人(商業・サービス業は5人)以下の小規模企業者
A従業員50人以下の中小企業者で一定の要件を満たしている者
B創業者〔1か月以内に創業(会社設立の場合は2か月以内に設立)する者、創業後5年以内の者で@、Aに該当する者〕
【貸付対象設備】
@創業者が事業を行うために必要な設備
A小規模企業者等が経営基盤を強化するために導入する設備であって、次のいずれかに該当するもの
(a)導入により、企業の付加価値又は従業員1人あたりの付加価値額が一定以上向上すると見込まれる設備
(b)公害防止等設備として定められている設備
※ただし、土地、建物(小売業等の店舗の内装工事と外装工事を除く)、賃貸用の物品等その他特別の理由により対象とすることが適当でないと県知事が認める施設は対象外
【貸付限度額】
4000万円(所要資金の1/2以内)
※創業者、企業者にはいくつかの特例がある。
5.小規模企業設備貸与制度
設備導入を行う小規模企業者等に対し、都道府県の中小企業支援センターより有利な条件での割賦販売、リース制度を提供する事業である。
対象者、貸与対象設備は、前項の「小規模企業設備資金貸付制度」と同じである。
【貸与設備限度額】
6000万円(創業後1年未満の創業者は3000万円)
【割賦金利・リース料率等】
@割賦販売:実質金利3%以下、保証金10%以下
Aリース:月額リース料率(3年リースは約3.0%、5年リースは約1.8%)
【割賦・リース期間】
@割賦販売:7年以内(公害防止等施設は12年以内)
Aリース:原則3年以上7年以内の範囲で貸与設備の耐用年数により定める。
【担保・保証条件】
原則として、保証人が必要である。物的担保が必要となる場合もある。
6.小規模事業者新事業全国展開支援事業
地域の小規模企業が行う地域の活性化に向けた取り組みを、総合的に支援する事業である。この事業は、小規模事業者等と協力・連携する商工会・商工会議所等に対して支援がなされる。
@特産品開発・観光資源開発及びその販路開拓
商工会・商工会議所等が小規模事業者等と協力して行う全国規模のマーケットを狙った新事業展開(地域の資源を活用した特産品開発や観光資源開発及びその販路開拓など)を幅広く支援する。
A商品開発・販路開拓支援のための専門家派遣
百貨店のバイヤー
ネどの専門家をアドバイザーとして商工会・商工会議所に派遣。各地の小規模事業者等が行う商品開発や販路開拓を支援する。
B商談・展示会の開催
全国の百貨店のバイヤーや流通業者の担当者等を招いて、各地で開発された特産品等を一堂に会した商談・展示会を開催。商品等の情報提供や消費者ニーズの調査など、販路開拓を支援する。