取引・官公需支援
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1.下請かけこみ寺事業
中小企業の取引に関するさまざまな悩みや相談ごとに親身に対応し、迅速な解決策を提示するなど、適正な取引を行うための支援を実施する。
(1)各種相談への対応
中小企業の取引に関するさまざまな悩み等に、下請代金支払遅延等防止法や中小企業の取引問題に知見を有する専門家が親身になって耳を傾け、適切なアドバイス等を行う。
(2)迅速な紛争解決
中小企業が抱える取引に係る紛争を迅速かつ簡便に解決するため、裁判外紛争解決手続(ADR)を用いて、全国の登録弁護士等が中小企業の身近なところで調停手続等を行う。
(3)下請適正取引ガイドラインの普及啓発
中小企業に対する「下請適正取引等の推進のためのガイドライン※」の説明会を業種毎に開催するなど、普及啓発を図る。
2.下請中小企業振興法による支援
下請中小企業振興法とは、親企業の協力のもとに、下請中小企業の体質を改善、下請性からの脱却により、独立性のある企業を育て上げることを目的とする。この法律は振興基準、振興事業計画制度、下請企業振興協会の3つの柱から成っている。
(1)振興基準
振興基準は、下請中小企業振興法第3条第1項の規定に基づき経済産業大臣が定めるものであり、下請中小企業の振興を図るため、下請事業者と親事業者の間における望ましい関係の在り方に関するガイドラインを示したものである。振興基準には、下請事業者の努力義務に関する事項及び親事業者の協力に関する事項が規定されており、下請事業者、親事業者がそれぞれの能力、立場で自発的に準拠することが期待される。
(2)振興事業計画制度
下請中小企業振興法に基づいて親事業者と下請事業者(下請組合など)が共同で近代化のための計画を作成し、国の承認を受けて事業を行う場合、その円滑な達成に必要な金融上の助成措置等を講ずる。
@高度化資金貸付(中小企業基盤整備機構、都道府県)
工場団地等の建設や共同工場等の共同施設の設置に必要な資金の無利子貸付。
A中小企業信用保険法の特例
事業に必要な資金について、売掛金債権担保保険の特例措置として、付保限度額の別枠化(1億円→2億円)、保険料率の引き下げ(0.46%→0.29%)等の優遇措置。
(3)下請企業振興協会による支援
請取引のあっせん、下請取引に関する苦情・紛争等の処理、情報の収集提供を行っている。
3.下請代金支払遅延等防止法による規制
下請代金支払遅延等防止法とは、下請代金の支払遅延、下請代金の減額などのような不当な下請取引の公正化、下請事業者の利益保護のために定められている。親企業の義務及び禁止事項としては、次のようなものがある。
(1)親事業者に課せられる義務
・取引条件などを記入した発注書の交付義務
・下請取引に関する事項を記載した書類の作成と保存(2年間)
・支払期日を定める義務(60日以内)
・遅延利息の支払義務(年利14.6%)
(2)親事業者の禁止事項
・受領拒否の禁止
・下請代金の支払遅延の禁止
・下請代金の減額の禁止
・返品の禁止
・買いたたきの禁止
・物の購入強制・役務の利用強制の禁止
・報復措置の禁止
・有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止
・割引困難な手形の交付の禁止
・不当な経済上の利益の提供要請の禁止
・不当なやり直し等の禁止
4.中小企業者の受注機会増大のための各種支援施策
官公需※における中小企業者の受注機会の増大を図るため官公需法(官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律)に基づき、各種の支援施策を講じている。
※官公庁、独立行政法人、公庫等が物品を購入したり、役務の給付や工事の発注をすることを官公需という。
@情報提供
国等の発注情報等について、各省庁のホームページにおいて情報提供している。
また、全国中小企業団体中央会のホームページにおいても国等から提供された官公需の発注情報等を提供している。
A官公需適格組合
事業協同組合等の中で特に官公需の受注に対し意欲的であり、かつ、受注した契約は十分に責任をもって実施し得る組合であることを証明する『官公需適格組合制度』が設けられている。官公需適格組合は競争契約参加資格審査に当たって、総合点数の算定方法に関する特例を受けることができる。
Bその他の支援
地元中小企業者等の活用、技術力のある中小企業者に対する受注機会の拡大などの支援施策を講じている。
5.下請取引あっせん・相談事業
新たな取引先を開拓したい中小企業者の取引先の開拓を支援するために、下請取引のあっせんを行っている。また、経営上の課題を抱える下請中小企業からの様々な相談に応じている。
【支援内容】
@下請取引あっせん
Aビジネス・マッチング・ステーション(BMS)
※BMSとは、中小企業者がインターネットを用いて取引機会の拡大を図ることを支
するシステム。本システム入会後は、発注情報や販路開拓のための企業情報等を自由に閲覧することができ、取引したい案件や企業に対して、システムを経由して直接申込みを行うことができる。また、自社の得意とする技術や保有する設備、仕上がった製品の写真等を掲載し、自社のPRを行うこともできる。