雇用・人材支援
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1.人材対策事業
地域の中小・小規模企業者が優れた人材(将来の中核人材や、即戦力人材)を確保することを支援する事業。求める人材を確保するための「橋わたし」と、即戦力として働けるようにするための「実践型研修」を、全国各地で行う。
@普段は大企業に向かいがちな人材を、地域の中小・小規模企業に「橋わたし」するため、就職活動中の学生や求職者を対象に以下の事業を実施する。
・地域ごと、学校ごとの合同就職説明会
・即戦力人材への育成研修
・就職支援型インターンシップ
・魅力発信事業
・ジョブカフェ・地域ネットワーク強化事業
A地域の中小・小規模企業者が求める即戦力人材を育成する「実践型研修」を、従業員や求職者を対象に以下の事業を実施する。
・分野別に現場実習を含む実践型研修の実施
・商業・サービス業の創業を支援
・海外市場の開拓
2.工業高校実践教育導入事業
工業高校等の生徒や教員に対する企業現場研修や講師派遣授業を実施することで、産業界のニーズに応じた人材の育成と確保を支援する。
【対象】
工業高校生や教員の企業研修や学校への講師派遣授業に協力できる中小企業者。
【支援内容】
各地域の産業界と工業高校、行政等が連携して、学校への企業技術者の講師派遣、生徒や教員の現場研修等を行うことにより、工業高校の実践的な教育プログラムの充実を支援する。
3.地域企業立地促進等補助事業
市町村、都道府県及び地域の経済・産業界等で組織する地域産業活性化協議会が実施する、地域の中小企業の事業高度化等に向けた人材育成を支援する。
【対象者】
(1)企業誘致前人材育成支援(人材養成等支援事業)
地域における産業集積の計画で定められている事業を行う中小企業者
(2)企業誘致後人材育成支援(立地産業人材育成支援事業)
地域における産業集積の計画に沿って新規立地等を行った中小企業者
【支援内容】
地域産業活性化協議会が、地域における産業集積の計画に沿って実施する、産業界のニーズを踏まえた人材育成事業を支援する。
(1)企業誘致前人材育成支援(人材養成等支援事業)補助率:定額(10/10)
地域の中小企業の経営者や技術者等を対象に、事業高度化につながる人材育成
(2)企業誘致後人材育成支援(立地産業人材育成支援事業)補助率:2/3
新規立地等を行った中小企業が新規採用した社員等に行う研修
※経済指標が全国的な水準に比べ低い地域に限定
4.中小企業大学校の研修
中小企業の経営者又は従業員を対象として、全国9か所の中小企業大学校で経営管理、経営戦略、生産管理、財務・会計管理といった高度かつ専門的な研修を行っている。
5.新現役人材を活用した中小企業支援
様々な経営課題を抱えている中小企業と、退職後も自らの知識・経験・ノウハウを活かしたいという意欲を持つ新現役人材とのマッチングし、経営課題の解決を支援する事業。
新現役人材とは、企業等の退職者及び近く退職を控えるシニア人材であり、その有する技術・ノウハウ等を地域・中小企業に活かしていこうという高い志を持っている者を指す。
現在、約1万人の新現役がデータベースに登録されており、中小企業者のニーズに応じて最適な新現役人材を全国ベースで紹介する。また、都市部の新現役人材が地方の中小企業支援を行う事業や、高度な専門技術等を有する新現役人材に、その技術・ノウハウを必要とする中小企業支援を行う事業を、モデル事業として実施する。
6.中小企業基盤人材確保助成金
創業・異業種進出に伴って経営基盤の強化に資する人材を雇用保険の一般被保険者として雇い入れた場合に助成する。なお、雇用改善の弱い地域において創業・異業種進出した場合、助成額の引き上げを実施する。
【支給金額】
@創業・異業種進出分
・経営基盤の強化に資する人材(基盤人材)1人当たり140万円(最大:5人)
(雇用改善の弱い地域において創業・異業種進出した場合:1人当たり210万円)
・基盤人材の雇入れにあわせて雇い入れた−般労働者1人当たり30万円(最大:基盤人材と同数)(雇用改善の弱い地域において創業・異業種進出した場合:1人当たり40万円)
A生産性向上分
・生産性向上に資する人材(生産性向上人材)1人当たり140万円(最大:5人)(小規模事業所における雇い入れまたは受け入れ:1人当たり180万円)
・生産性向上人材の雇入れ又は受け入れにあわせて雇入れた一般労働者1人あたり30万円(小規模事業所における雇入れ:1人あたり40万円)
7.各種の労働対策(中小企業への助成制度)
(1)労働力確保法による新規雇用創出のための対策
労働力確保法は、労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のために中小企業が行う雇用管理の改善に向けた取り組みを支援することを目的としている。個別の中小企業者などが改善計画を作成し、都道府県知事の認定を受けると、中小
驪ニ労働力確保推進事業、中小企業基盤人材確保助成金等の各種支援策が講じられる。
@中小企業労働力確保推進事業
労働力確保法の改善計画の認定を受け、労働時間の短縮などの計画を円滑に実施するための事業に対して交付される補助金であり、個別中小企業者や事業協同組合に適用される。
A中小企業基盤人材確保助成金
創業・異業種進出に伴って経営基盤の強化に資する人材を雇用保険の一般被保険者として雇い入れた場合に助成するものである。
経営基盤の強化に資する人材(基盤人材)1人当たり140万円(最大:5人)、基盤人材の雇入れに併せて雇い入れた一般労働者1人当たり30万円(最大:5人)が独立行政法人雇用・能力開発機構から助成される。
(2)雇用対策の充実
@雇用調整助成金
景気の変動等に伴い事業活動の縮小を余儀なくされて、休業、教育訓練、又は出向を行うことにより労働者の雇用維持を図る事業主に対し、休業手当、賃金等に相当する額の一部について助成する(助成率:2/3)。
A中小企業緊急雇用安定助成金
中小企業事業主向けに雇用調整助成金の助成内容等を拡充した制度である(助成率:4/5)。
B特定求職者雇用開発助成金
(a)特定就職困難者雇用開発助成金
60歳以上の高齢者、障害者等特に就職が困難な者を、公共職業安定所等の紹介により継続して雇用する労働者として雇い入れた事業主に対し、賃金に相当する額の一部について助成する。
(b)緊急就職支援者雇用開発助成金
雇用に関する状況が全国的に悪化した場合などに厚生労働大臣の定める年齢以上60歳未満の再就職援助計画対象者等を継続して雇用する労働者として雇い入れた事業主に対し、賃金に相当する額の一部について助成する。
C地域雇用開発促進助成金
同意雇用機会増大促進地域(地域雇用開発促進法に基づく、雇用機会が相当程度不足している地域)等において新たに事業所を設置・整備し、その地域に居住する求職者等を雇い入れる事業主又は、同意高度技能活用雇用安定地域(地域雇用開発促進法に基づく、高度な熟練技術者等が多数就業している地域)において高度技能労働者等を雇い入れる事業主に対し助成金を与えるものである。
(3)職業能力の開発と向上
・キャリア形成促進助成金
企業内における労働者のキャリア形成の効果的な促進のため、その雇用する労働者を対象として、目標が明確化された職業訓練の実施、職業能力開発休暇の付与、長期教育訓練休暇制度の導入、職業能力評価の実施又はキャリア・コンサルティングの機会の確保を行う事業主に対して助成するもので、下記の4種類がある。
・訓練等支援給付金
・職業能力評価推進給付金
・地域人材高度化能力開発助成金
・中小企業雇用創出等能力開発助成金
(4)仕事と家庭の両立支援
・中小企業子育て支援助成金
一定の要件を備えた育児休業、短時間勤務制度を実施する中小企業事業主(従業員100人以下)に対して、育児休業取得者又は短時間勤務制度の適用者が初めて出た場合に通算5人目まで助成金を支給する。
8.中小企業少子化対策融資制度
第4章第3節を参照
9.人材投資促進税制
従業員の教育訓練に積極的な企業について、教育訓練費の一定割合の額を減税する制度であり、対象は、青色申告を行うすべての個人事業者又は法人である。
基本制度では、教育訓練費の増加額の25%を税額控除できるが、中小企業の特例として、教育訓練費総額の最大20%に相当する額を税額控除できるようになっている。