創業・ベンチャー支援
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1.中小企業新事業活動促進法による総合的支援
創業者及びベンチャー企業が行う創意工夫に満ちた事業活動を幅広く支援し、創業後の経営リスクに備えるための技術力・経営力の向上を図っている。
(1)最低資本金規制の特例
従来、中小企業新事業活動促進法により最適資本金規制(当時の株式会社は1000万円、有限会社は300万円の最低資本金を必要とするもの)を猶予する特例措置がとられていたが、平成18年5月1日施行の会社法により、最低資本金規制が撤廃されたと同時に、同法の「最低資本金規制特例制度」も廃止された。
(2)中小企業技術革新制度(SBIR)
技術開発力を有する中小企業を活性化し、独自力を有する事業活動を支援することを目的とした制度である。詳細は、第12節を参照。
2.販路ナビゲーター創出支援事業
中小企業基盤整備機構や各都道府県中小企業支援センターが実施の窓口となり、販路開拓の専門家(販路ナビゲーター)とのマッチングの場を提供し、中小・ベンチャー企業の販路開拓を支援する事業である。
【対象者】
都道府県等の支援により、自社で開発した製品等の販路の確保・拡大を希望している中小企業者。
【支援内容】
豊富な経験を有する企業OB等を「販路ナビゲーター」として登録し、販路紹介や販売代行業務等につなげるための「販路ナビゲーターとのマッチングの場」を提供する。
@販路ナビマッチングプレゼンテーション
全国規模での販路ナビマッチングプレゼンテーションを開催し、販路ナビゲーターとのマッチングを支援する。
A地域マッチングイベント
都道府県等の支援機関が主催している中小企業を支援するマッチングイベントにおいて、販路ナビゲーターの派遣を希望する中小企業がある場合には、中小企業基盤整備機構に登録している販路ナビゲーターを派遣する。
3.新創業融資制度
ビジネスプランを的確に審査し、無担保・無保証人(本人保証不要)で創業者及び創業を予定する者に融資を行う制度。貸付限度額は1000万円。詳細は第4章第3節を参照。
4.女性、若者/シニア起業家支援資金
女性、若者、高齢者のうち新規開業して概ね5年以内であれば、日本政策金融公庫より優遇金利で融資を受けることができる制度。貸付限度額は、中小企業事業7億2000万円、国民生活事業7千2百万円。詳細は第4章第3節を参照。
5.ベンチャーファンドへの出資
国内の成長初期段階(アーリーステージ)にあるベンチャー企業等に対する投資促進を目的として、中小企業基盤整備機構が民間のベンチャーキャピタルが運営する投資事業有限責任組合に対して出資する制度。
6.がんばれ!中小企業ファンド
目利き能力やネットワークを有するファンドが、新事業展開に挑戦する中小企業等に対し、資金供給や販路拡大等、踏み込んだ経営支援を実施する事業である。
具体的には、目利き能力やネットワークを有する民間の事業会社等が業務執行組合員となって組成されるファンドに対して、独立行政法人中小企業基盤整備機構が有限責任組合員として出資(ファンド総額の1/2以内)を行うことで、新事業展開にチャレンジしている中小企業等に対し、資金供給と販路拡大等の踏み込んだ経営支援(ハンズ・オン支援)を強力に実施する。
対象は新分野進出、新商品の開発など新事業展開にチャレンジしている中小企業であって、事業に必要な資金や経営支援を民間の事業会社等が組成するファンドからの資金により調達することを希望するものである。
7.創業塾・経営革新塾
全国の都道府県商工会連合会や商工会議所において、創業に向けて具体的な行動計画を有する者を対象に、創業に必要な実践的能力を修得させる講座を行う。
@創業塾
創業・企業を考えている者を対象に、事業を開始するための心構え、ビジネスプラン作成方法、融資制度や創業事例紹介等、実際の創業に役立つ知識を約30時間で修得する講座。
A経営革新塾
新事業展開等を目指す若手後継者などを対象に経営戦略、組織マネジメント等の知識・ノウハウ等、経営革新に役立つ知識を約20〜30時間で修得する講座。
8.ベンチャーフェア(新市場創出支援活動事業)
ベンチャーフェアとは、公的機関が行う日本最大級のベンチャーマッチングイベントである。全国の選りすぐった中小企業・ベンチャー企業の製品、サービス等が紹介され、革新的な製品・試作品やサービスを有する中小企業の販路・事業提携先の開拓などビジネスマッチングの機会を提供する。
9.ベンチャープラザ(新市場創出支援活動事業)
独創的なビジネスプランを有する中小企業・ベンチャー企業と資金調達先、事業提携先等とのマッチングを図る出会いの場を提供するため、全国各地でビジネスプラン発表会「ベンチャープラザ」を開催する。
10.ベンチャーフォーラム
創業・ベンチャー企業に対する社会的評価の向上や、広く国民の中での起業家精神の涵養を図り、起業家が輩出されやすい風土づくりを進めるため、起業経験者や有識者を結集して「ベンチャーフォーラム」を組織し、起業家精神の発揮及び高揚のための啓発活動を全国展開するとともに、地域に根ざした起業活性化事業を行う。
11.新事業支援施設(ビジネス・インキュベータ)による創業・ベンチャー支援
創業や新製品・新技術の研究開発等を行うベンチャー企業に対し、中小企業基盤整備機構等が低廉な賃料で新事業支援施設(ビジネス・インキュベータ)を提供する事業である。
12.中小企業投資育成株式会社による投資
中小企業の自己資本の充実を図るため、中小企業投資育成株式会社は株式、新株予約権、新株予約権付き社債の引き受け(投資事業)やコンサルティング(育成事業)を行っている。
13.起業支援ネットワーク"NICe(ナイス)"
インターネット上に構築した双方向型ネットワークを活用して、全国の起業家、起業を目指す者、起業支援者が自由に情報収集・意見交換できる環境を提供する。
【対象者】
起業を目指している者、起業家、起業支援者、支援機関、エンジェル投資家、ベンチャーキャピタル等
【支援内容】
(1)SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)事業
起業家・起業を目指す者と、さまざまなフィールドで活躍する起業支援者が、インターネット上で双方向に情報交換ができるコミュニティ型のサービス(SNS)を提供する。
(2)起業・経営支援情報データベース事業
国・自治体による支援策、助成金・補助金、各種イベント、ビジネスプランコンテスト等の起業・経営に関する様々な情報を共有し、検索可能なデータベースを提供する。
以上の施策の他、次の諸施策も創業・ベンチャー支援を行うものである。これらの内容については、別途説明する。
・中小企業組合制度
・新たな事業活動を支援する融資制度
・地域イノベーションパートナーシップ
・地域経済情報化基盤整備補助金
・新産業創出・活性化融資
・後継者人材マッチング促進事業
・小規模企業設備資金貸付制度
・小規模企業設備貸与制度
・エンジェル税制